脳腸相関とは、脳で考えていることや感じていることが腸に影響を及ぼしたり、逆に腸の状態が脳に影響を与えたりすることを言います。まったく関係なさそうに見える脳と腸ですが、実は深い関係があるのです。この記事では、腸の担っている役割や働きなどから、脳腸相関とは一体どのようなものなのかを解説していきます。
1.脳腸相関とは脳と腸が関係していること
脳腸相関を簡潔に言うと、脳と腸が互いに影響し合っていることです。そうは言っても、まったく違う場所にあり、体内での役割もまったく違う脳と腸ですから、影響し合っているとは信じられないかもしれません。しかし、このような経験はないでしょうか。
● 不安や緊張でお腹が痛くなる
● 心配事があり下痢をする
● 環境が変わったり旅行へ行ったりすると便秘になる
これらは脳が腸に影響を与えて起こる現象です。ストレスでお腹の調子が悪くなることは、多くの人が経験していると思います。しかし最近では、メンタルが腸へ影響を与えるだけでなく、腸の具合が脳へ影響を与えるとも言われています。気分がすぐれない時には、心の問題だけではなく、腸の具合が悪くなっている可能性もあるのです。このように、脳と腸が互いに影響し合っていることを脳腸相関と呼びます。
2.腸が担っているのは消化吸収だけではない
腸の主な役割は、食べ物を消化吸収することです。しかし腸の働きは、それだけではありません。腸は免疫機能や自律神経機能、内分泌機能を持っており、第二の脳と呼ばれることもあります。
2-1.免疫を担う腸
体内にある腸は他の臓器や血管などとは違い、その内側は常に外界と触れ合っています。食べ物のような外部の物質が、口から肛門まで通過していくからです。そのため、腸内はウイルスや細菌などの病原体にもさらされています。そのような腸には、多くの免疫細胞があり、健康を守っているのです。
2-2.自律神経機能
腸をコントロールしているのは自律神経です。活動的な時に活性化する交感神経や、リラックス時に活性化する副交感神経の影響によって、腸の働きが良くなったり悪くなったりします。また、腸にある腸管神経系は、脳から出る指令を受けなくても腸の活動を制御できます。そのため腸は第二の脳と呼ばれるのです。
2-3.腸の内分泌機能
3.腸と脳の相互作用
腸には迷走神経という神経が通っており、脳にも信号を送っています。腸から脳へ送られる情報は、脳が腸へ送る情報よりも多いとされています。そのため、脳は腸に大きな影響を受けていると言えるのです。
3-1.腸に存在する脳内物質
ドーパミンやノルアドレナリン、セロトニンなどの感情をつかさどる脳内神経伝達物質は、多くが腸で作られています。とくに幸せホルモンと言われるセロトニンは90%が腸に存在し、腸の働きにも関わっています。セロトニンが低下すると、うつやパニック障害を引き起こすとされており、腸と脳には大きな関りがあるのです。
3-2.過敏性腸症候群
腸に何も問題がないのに、腸の不調を感じる過敏性腸症候群は、脳腸相関の代表です。精神的ストレスや自律神経の不調から腸の異常症状を引き起こします。症状の現れ方は、下痢や便秘が続く場合やお腹の張りがある場合など人それぞれです。発症メカニズムはわかっておらず、脳腸相関の異常が原因のひとつではないかと言われています。
4.腸と脳には腸内細菌も関係している
脳に影響を与える腸ですが、その腸に影響を与えているのは腸内細菌です。大学の研究では、乳幼児期の腸内細菌による信号が、成長後のストレス耐性を強めるとしています。前述の過敏性腸症候群も感染性胃腸炎のあとに発症しやすいことがわかっており、腸内細菌が脳や腸にも影響を与えると言われています。
5.まとめ
脳と腸はそれぞれまったく関係なさそうな臓器ですが、お互いに神経やホルモンなど情報を伝達し合っています。とくに精神的なストレスが胃腸に影響を与えることは、多くの方が経験しているのではないでしょうか。それだけではなく、腸内細菌の異常が過敏性腸症候群を引き起こすこともあります。腸に異常がなくても脳や腸内細菌の影響で、心と体に不具合が出てくるのです。このような関係性を脳腸相関と呼びます。
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